今月の臨床 婦人科外来
外来診察と検査
7.経腟超音波の婦人科領域への活用
石原 楷輔
1
1日本医科大学付属第二病院産婦人科
pp.414-419
発行日 1999年4月10日
Published Date 1999/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903598
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●はじめに
超音波検査法には大別して経直腸,経腟,および経腹超音波検査法があるが,産婦人科外来では経腟超音波を使用することが圧倒的に多い.妊娠初期を含む婦人科診療における経腟超音波検査の有用性については今さら述べるまでもなく,現在,一般外来に経腟超音波装置を設置しない施設はない.数年前までは本法の活用としては,産科的には妊娠初期のGS,胎芽・胎児の観察,前置胎盤や頸管無力症の診断に用いられ,一方,婦人科的には卵胞モニタリング,筋腫や卵巣腫瘍などが主な対象であった.最近は,妊娠初期の胎児形態異常,切迫流早産における頸管の評価の他,婦人科的には子宮内膜の評価,sonohysterograpy (SHG)による子宮腔内病変の観察などその活用範囲は拡大し,さらにカラードプラ,3次元画像表示などが出現し,婦人科外来における経腟超音波の重要性がいっそう重みを増してきた感がある.いずれにしても本法を用いない婦人科外来の日常診療は考えられず,本法のよりいっそうの活用が望まれる.
本稿では,婦人科外来における経腟超音波検査の活用の現況を述べ,代表的な画像を供覧する.日常診療の参考にしていただきたい.
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