今月の臨床 子宮内膜症治療のストラテジー
その他の留意点
2.体外受精治療と子宮内膜症
栁田 薫
1
,
片寄 治男
1
,
佐藤 章
1
1福島県立医科大学医学部産科婦人科学教室
pp.1352-1354
発行日 2001年12月10日
Published Date 2001/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904501
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
体外受精を軸とした生殖補助医療技術(assist—ed reproductive technology:ART)は昨今の実地不妊治療の中心的役割を果たしている.体外受精が適応される子宮内膜症は主に卵管に対する障害が原因であり,その治療(conventional-IVF)周期に占める割合は8%程度である1).また子宮内膜症は外科的治療やGnRH analogueを中心とした薬物療法後の妊孕能回復に対しても効果が期待されるため,子宮内膜症を原因とする不妊症治療に対して体外受精は第一選択となっていない.卵細胞質内精子注入法(ICSI)が適応される男性因子不妊症患者でもARTを行う際,婦人に子宮内膜症の存在が確認されることが往々にしてある.
本稿では,子宮内膜症患者に対する体外受精の留意点として,体外受精が適応される患者に確認された子宮内膜症が受精,妊娠などに与える影響を考察し,さらにその対策について述べる.
Copyright © 2001, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.