今月の臨床 遺伝子医療—現況と将来
出生前の遺伝子診断
2.羊水検査による診断 3)骨格異常の遺伝子診断
澤井 英明
1
1兵庫医科大学先端医学研究所発生生殖部門
pp.874-877
発行日 2001年8月10日
Published Date 2001/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904394
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はじめに
妊娠期間中の超音波断層法の普及により,胎児の骨格異常がみつかることも多くなってきた.特に先天性四肢短縮症は大腿骨長が日常の超音波断層法の測定対象であるため,比較的妊娠早期から著明な四肢短縮として指摘されることも多い.こうした異常が認められた場合,その予後の判定は妊娠管理上重要である.しかし超音波断層法のみで罹患胎児の疾患の確定診断を行うのは不可能である.
妊娠期間中にみつかる骨格異常の多くは先天性骨系統疾患であり,いくつかの疾患では責任遺伝子が明らかになっている.そこで妊娠期間中に骨格異常がみつかった場合,羊水細胞を用いて想定される疾患の遺伝子検査を実施することにより診断を確定できる場合がある.
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