今月の臨床 女性の泌尿器疾患—最新情報
尿路感染症
2.腎盂腎炎
坂 義人
1
1岐阜市民病院泌尿器科
pp.1210-1211
発行日 2000年10月10日
Published Date 2000/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904159
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腎盂腎炎は腎盂・腎杯および腎実質の感染症で,病態により単純性と複雑性に分けられる.単純性は尿路に基礎疾患のない状態で発症する腎盂腎炎で,複雑性は何らかの尿路疾患に続発して発症する病態をいう.複雑性腎盂腎炎はさらに急性と慢性に別けられるが,慢性症は経過中に急に発熱などの症状を呈して急性発症の形をとる場合もある(図1).これらの病態によって治療方針が大きく異なるので,各病態の特徴を十分理解しておくことが大切である.
一般に単純性腎盂腎炎は性的活動期の女性に多いのに対して,複雑性腎盂腎炎は各年代にわたって男女共にみられる,女性の複雑性腎盂腎炎は,性器や付属器の腫瘍あるいは神経因性膀胱機能障害や尿路変向術後に多い.
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