今月の臨床 無痛分娩・和痛分娩
無痛分娩におけるインフォームドコンセント
久 靖男
1
1医療法人母と子の城久産婦人科内科
pp.1000-1002
発行日 2000年8月10日
Published Date 2000/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904105
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はじめに
「小手術はあっても小麻酔はない」これは前大阪大学麻酔科教授 故 恩地先生がよく口にされた言葉である.いかなる麻酔にもリスクがあり軽々に麻酔を行ってはならないといういましめであった.また前大阪大学総長の故 山村先生は「医療は両刃の剣であり,用いる人によって薬にも毒にもなる」といわれ,医師の高い倫理感を望まれた.筆者も若い頃6か月の麻酔科研修を希望したが恩地先生は受け入れられず,2年以上研修して麻酔科医の資格をとること,そしてその間に先生の友人のJ.J.Bonicaの名著“Obstetric Analgesia and Anesthesia”を読了するように勧められた.心臓外科や脳外科の長時間にわたる麻酔をかけながら,この時間が自分にとってどんな意味があるか悩んだこともあったが,この間種々の体験をさせていただき,産科医と麻酔科医としての眼で産科医療をみることができるようになったことを今では深く感謝している.
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