今月の臨床 無痛分娩・和痛分娩
諸外国における無痛分娩の現状
1.アメリカ
矢沢 珪二郎
1
1ハワイ大学
pp.978-979
発行日 2000年8月10日
Published Date 2000/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904099
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「(米国で)もし,65歳の人が心筋梗塞で緊急入院すれば,午前2時でも内科医,心臓外科医,麻酔医などのサービスが迅速に受けられる.このようにして救える,この患者の平均余命は5年ぐらいであろう.一方,同じく午前2時に緊急帝切をしようとすれば必ずしも麻酔医はその場にはおらず,いそいでも麻酔医の病院到着までには30分以上はかかってしまうであろう.この場合,緊急帝切によって救える平均余命は児が70年,母親が40年,合計110年にもなるのに」.このエピソードは米国の産科麻酔の現状を語る時によく引用されるものである.なお,米国では無痛分娩と和痛分娩にあたる用語はなく,また両者の区別もない.これらの麻酔は一般的にobstetrical analgesia and anesthesiaと呼ばれている.
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