今月の臨床 子宮頸癌—最近のトピック
治療のトピック
1.Conizationの実際
西村 正人
1
,
古本 博孝
1
,
青野 敏博
1
1徳島大学医学部産科婦人科
pp.772-776
発行日 2000年6月10日
Published Date 2000/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904054
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子宮癌検診の普及により近年,進行子宮頸癌は減少しているが,子宮頸部扁平上皮内腫瘍(cer—vical intraepitherial neoplasia:CIN)や早期癌の状態で発見される症例が増加しつつある.表1は当科における1980〜1999年までの20年間に治療を行った子宮頸癌患者(primary radiationの症例を除く)の進行期別の年次別推移を示している.子宮頸癌患者の総数は減少傾向にあるが,異形成および上皮内癌患者の占める割合が近年では半数をこえるようになってきている.
また,表2をみると上皮内癌患者の平均年齢は20年前の46.1歳に比べ,近年では40.2歳と明らかに若年化しており,症例によっては妊孕性の温存を考慮した治療が必要になる.子宮頸部初期病変の診断・治療に円錐切除術は古くから重要な役割を果たしており,今後もその重要性は変わらないと思われる.機能温存の観点から,とくに若年者に対する保存療法が各施設で試みられるようになってきたが,保存療法の限界に関しては現在のところ意見の一致をみていない.
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