今月の臨床 子宮頸癌—最近のトピック
診断・検査のトピック
6.腫瘍マーカー
住浪 義則
1
,
加藤 紘
1
1山口大学医学部産科婦人科
pp.768-771
発行日 2000年6月10日
Published Date 2000/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904053
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腫瘍マーカーというと,悪性腫瘍において血中あるいは体液中に存在し臨床診断に役だつ単なる物質というイメージが強い.しかしながらその腫瘍マーカーとして用いられる物質も本来はわれわれ臨床医に測定されるためにつくられているのではなく,何らかの生物的機能を細胞内あるいは細胞外で有しているものをたまたまわれわれが利用しているだけである.この腫瘍マーカーの本来の機能と悪性腫瘍の発生や進展との関連が明らかになれば,患者の臨床像がより明らかとなり,またその発現を調節することにより癌の治療をより有効にすることができる可能性もある.腫瘍マーカーのトピックとして,その評価法や測定法に新しい試みもあるが1),ここではSCC抗原を中心に子宮頸癌の腫瘍マーカーの生物学的機能に関する最近のトピックスを紹介したい.
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