連載 Estrogen Series・171
PCOS その1
矢沢 珪二郎
1
1ハワイ大学
pp.612-613
発行日 2018年6月10日
Published Date 2018/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409209427
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今までのPCOS(polycystic ovarian syndrome)の診断名は,その診断名の刻印を押された若い女性たちにとって,不必要な負担を強いるものではないか,と考える医師は多いのではないか?
確かにPCOSの典型をみると,アンドロゲン増加,生殖障害,長期的な心血管障害,2型糖尿病など,アンドロゲンの過剰が中心的な症状をもたらしている.しかし,最近見直されたアンドロゲン過剰によらないPCOS診断は,多くの女性,特に若い女性に肉体的,精神的負担を(不必要に)与えるものと考えられる.最近の調査によれば,米国の十代女性の21%がPCOSの診断をつけられる可能性がある.これは今から20年前になされたNIHの同様な調査の結果が4〜6%であったことを考えると,大変なPCOS診断の増加である.
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