今月の臨床 生殖内分泌と不妊診療の最新データ
性成熟期
1.性成熟期婦人の内分泌動態
田坂 慶一
1
,
岡本 陽子
1
,
早川 潤
1
,
中辻 友希
1
,
村田 雄二
1
1大阪大学大学院医学研究科器官制御外科学(産科婦人科学)
pp.390-397
発行日 2000年4月10日
Published Date 2000/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903984
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一般に各種性機能異常や不妊症の診断・治療における内分泌機能検査の意義は2点ある.一つは非常に精密にコントロールされた各種ホルモンの調節機序の結果として起こる排卵現象に関するもの.もう一つは受精,卵の移送,着床,発生などにおける環境づくりとしての内分泌機能である.前者においてはゴナドトロピン分泌と卵胞発育に伴うステロイド,卵巣性ペプチドによるフィードバック機構に代表される.後者は排卵後のプロゲステロンを主体とする黄体機能あるいは着床,発生異常などがある.
内分泌機能を検査する方法としては,各種測定法が進歩した現在ではホルモンを直接測定することが主体となっている.ほかにホルモンの生物学的効果をみる検査,たとえば黄体機能を示す子宮内膜日付診あるいは卵胞期エストラジオール活性の現れである頸管粘液検査,あるいはエストロゲンとプロゲステロン活性の現れである基礎体温表も広義には内分泌機能をみていることになる.
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