症例
帝王切開術後1日目に肺血栓塞栓症を発症しcatheter-directed thrombolysisにより良好な経過を得た1例
佐藤 賢一郎
1
,
水内 英充
2
,
玉川 心吾
3
,
実藤 洋一
3
,
井上 玲
3
,
星野 弘勝
3
,
松木 高雪
4
,
山内 一暁
4
,
國本 清治
4
,
伊藤 洋輔
4
,
大谷 則史
5
,
浅田 秀典
5
,
三上 晴克
6
1新日鐵室蘭総合病院産婦人科
2みずうち産科婦人科
3新日鐵室蘭総合病院麻酔科
4新日鐵室蘭総合病院循環器内科
5新日鐵室蘭総合病院心臓血管外科
6新日鐵室蘭総合病院検査科
pp.315-319
発行日 2000年3月10日
Published Date 2000/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903974
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今回,帝王切開術(以下,帝切と略)後1日目に肺血栓塞栓症を発症し,ウロキナーゼ(以下,UKと略)を用いたcatheter-directed thrombolysisにより良好な経過を得た1例を経験した.症例は45歳,1経妊1経産で,既往歴として1994年(平成6年)8月に児頭骨盤不均衡にて帝切をうけている.家族歴では父が脳梗塞で死亡している.1999年(平成11年)6月14日帝切の目的で入院し,6月16日帝切施行,翌日(6月17日)初回トイレ歩行後,帰室時に意識不明となり転倒した.
肺シンチ,肺動脈造影により最終的に肺血栓塞栓症との確定診断に至り,肺動脈造影に引き続きカテーテルよりUKを造影所見を観察しながら計3回(24万単位2回,48万単位1回)動注したところ,直後にpO2,SpO2,臨床症状が著明に改善した.本症例の経験より,肺動脈造影を施行した場合catheter-directed thrombolysisは引き続き施行を考慮する価値のある方法であると思われた.
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