連載 誌上Debate・9
進行卵巣癌における傍大動脈リンパ節郭清の是非
落合 和徳
1
,
武田 佳彦
2
1東京慈恵会医科大学産婦人科
2前東京女子医科大学
pp.300-307
発行日 2000年3月10日
Published Date 2000/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903972
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是 卵巣癌は初期のものは卵巣に限局しているが,やがて骨盤内臓器に浸潤転移し,さらには腹腔内に進展する.播種転移は卵巣癌の特徴的な転移形態であるが,リンパ行性の転移も知られている.
卵巣癌患者の約半数は進行したIII,IV期で発見されるが,腹腔内病変のコントロールが困難であった時代はリンパ節転移やその対応をいかにするかは問題にならなかった.しかし初回手術時になるべく多くの腫瘍組織を切除し,残存腫瘍を小さくすることが予後改善につながることが明らかとなり,さらにadjuvant chemotherapyの進歩により,腹腔内病変のコントロールが可能となったことから,後腹膜リンパ節病変もあらためて見直されてきた.
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