今月の臨床 新生児外科の最前線—産科医としての必須知識
外科治療の現況と産科医へのアドバイス
2.胸部疾患
3)先天性心疾患
藤原 直
1
1千葉県こども病院心臓血管外科
pp.256-260
発行日 2000年3月10日
Published Date 2000/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903958
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近年,小児心臓血管外科手術の成績は著しく向上し,新生児期の手術についても安定した成績が得られるようになった.人工心肺などの補助手段や手技の改善が大きく寄与しているが,早期の専門病院への転送や侵襲の少ない診断方法の確立なども成績の向上に貢献している.
早期の根治手術の利点は数多く挙げられているが,人工材料を使用する手術などでは患児の成長に従って問題となる部分もあり,すべての疾患で推奨されているわけではない.現在,新生児期の開心根治術が一般的であるのは,完全大血管転位症に対するJatene手術,総肺静脈還流異常症,総動脈幹症,完全型心内膜床欠損症,大動脈縮窄症および大動脈離断症に対する一期的根治術などが挙げられる.開心姑息術では左心低形成症候群に対するNorwood手術,無脾症候群に伴う総肺静脈還流異常修復術,純型肺動脈閉鎖症・ファロー四徴症に対する姑息的右室流出路形成術などがある.非開心姑息術としては肺血流減少群に対して行うBlalock-Taussig手術(体肺短絡手術),肺血流増加群に対して行う肺動脈絞扼術がある.
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