連載 誌上Debate・8
preterm PROMにおける羊水補充療法の是非
天野 完
1
,
中山 摂子
2
1北里大学医学部産婦人科
2愛育病院産婦人科
pp.198-202
発行日 2000年2月10日
Published Date 2000/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903946
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是 破水の時期が早期(preterm PROM:pPROM)であるほど新生児死亡の頻度は高く,24週以下では50%以上に及ぶ.未熟性に加え肺低形成が問題になり,ヒトでは16〜24週のcanalicular phaseでの羊水過少と肺低形成との関連が示唆されている(Moessingerら,1986年).羊水過少となれば胸郭の動きは制限され,肺胞,羊膜腔の圧較差は増加し,肺胞液が流出することになり,肺低形成の病態に関与する.また破水後には膀帯圧迫による循環障害の頻度は高まり容易に胎児低酸素症・アシドーシスが発症する.したがって,破水に伴う羊膜腔の減少を代用人工羊水の注入(amnioinfusion)により回避し得ればこれらのリスクを軽減できる可能性がある.pPROMでのanmioinfusionのアイディアはOgitaら(1988年)の“PROM-fense”の開発によるが,その後経腹的,経腔的アプローチによるamnioin-fusionが試みられている。
筆者らはpPROMの管理に積極的にanmioin-fusionを行っている.待機療法を考慮した28週未満のpPROM 77例で45例,58%(プロムフェンス26例,経腹10例,経腟9例)にanmioin-fusionを行ったのでそのベネフィットをまとめた.
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