今月の臨床 帝王切開
帝王切開に踏みきるとき
13.preterm PROM
友田 昭二
1
Shoji Tomoda
1
1大阪市立大学医学部産科婦人科学教室
pp.677-679
発行日 1992年6月10日
Published Date 1992/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900885
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preterm PROM(以後PROMと略す)は全分娩の1〜2%に生じ早期新生児死亡の大きな原因となっている。PROMに伴う新生児のリスクファクターとして①未熟性,②感染,③周産期仮死,④胎児への圧迫など(竹内,1991)があげられる。③の周産期仮死は胎盤機能不全の結果生じてくるものであるが,もともと胎盤機能不全があり過度の子宮収縮に伴いPROMが発症してくる場合と,胎盤での炎症(感染)による浮腫・白血球浸潤の結果,母体血と胎児血間での物質交換が障害され二次的に胎盤機能が低下する場合とがある。④は長期羊水過少症が持続した時生じるPotter Syndromeにみられる肺形成不全が新生児の予後不良因子となっている。
最近の未熟児医療の発達により妊娠23〜24週,400〜500gの時の生存が可能になってきたが,intact survivalの見地からはtermまで胎内で発育させるのが理想である。しかし表1に示すごとく胎児仮死が生じれば感染・未熟性の有無にかかわらず子宮内胎児死亡を防ぐために児を娩出させることが必要となる。
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