Japanese
English
シンポジウム ステロイド代謝物質療法
プレマリン—その研究報告と臨床検討
Premarin:Its experimental reports and clinical purueys
中山 徹也
1
Tetsuya Nakayama
1
1東京大学
pp.115-119
発行日 1966年2月10日
Published Date 1966/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409203421
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
最近までのホルモン療法の傾向を考えみると,昔はホルモンというと臓器抽出物だけで非常に単位の低いものしかなかつたわけです。それからもう1つは,ホルモン療法についての考え方で,補充療法すなわち足りないのを補つてゆくという考え方でありました。したがつて製剤の面ではともかくも効力の強いものを作ろうという点に力が注がれ,高単位のもの,永く効果が持続するものが注目されてきたわけです。ところが高単位のものを使うと,目的とする効果は十分あるのですが,同時にわれわれのわからない効果も出て来る。いいかえると,効果が強すぎる,ききすぎるため,その副作用が出てくるという面が注目され始めてきています。そういう意味で,尿中の代謝物よりの薬剤は天然のものであるからいろいろな副作用が少ないのではないかということで,注目され始めています。卵巣からのステロイドホルモンにはProgesteroneとEstrogenとがありますが,このProgesterone代謝物はPregnandiolであつて,これはNatrium glucuronidateの形で排出されています。Estrogenの方はglucuronidateのほかsulfateの形で排出されていますが,人間の場合には,主にEstriolの形でしかも主にglucur—onidateと結合して排出されることが知られています。
Copyright © 1966, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.