今月の臨床 不正性器出血—原因と対応
腫瘍
5.ホルモン産生卵巣腫瘍
沼 文隆
1
,
尾縣 秀信
1
,
加藤 紘
1
1山口大学医学部産科婦人科
pp.1384-1387
発行日 1999年11月10日
Published Date 1999/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903828
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成熟卵巣の大きさはほぼ母指頭大,扁平楕円形で,重さは約6gと小さい.しかし,月経周期に伴い機能・形態ともにダイナミックに変化し,また腫瘍化するとその組織像は多彩である.卵巣腫瘍は臨床的に特徴的な症状に乏しく,とくに悪性腫瘍の場合はsilent diseaseあるいはsilent killerなどとも呼ばれる.
数多い卵巣腫瘍のなかでホルモン産生腫瘍の頻度は,全卵巣腫瘍の約0.8〜1.2%,全充実性腫瘍の約8%程度1)とされ,その産生ホルモンの内分泌活性により特異的な徴候を示す.ステロイドホルモン産生腫瘍では不正性器出血をきたすことも多い.
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