連載 OBSTETRIC NEWS
満期前破水と陣痛抑制剤
武久 徹
pp.1292-1293
発行日 1999年10月10日
Published Date 1999/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903807
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早産が原因の新生児罹患の重篤性と医療費増加を考慮し,早産防止に多くの方法が採用されてきた.しかし,早産を予知する方法に関する研究のなかには,早産率を低下させるうえで有効な方法もある(子宮頸管長計測に基づく頸管縫縮術,細菌性腟症の診断と治療)が,早産の危険度が高いことが予知できても有効に早産の防止ができない方法(胎児性フィブロネクチン測定)とさまざまである.現時点では,早産率を減少させるほどの薬剤がないため,早産率の低下はみられない.早発陣痛は,どの薬剤を使用しても陣痛を長時間抑制できないことが多くの研究で明らかにされている[BJOG95:211,1988;The Cochrane Preg—nancy&Childbirth Database(1995, Issue 1);Lancet 350:1339, 1997].
最近,米国産婦人科医協会(ACOG)から発行された満期前破水(preterm PROM:PPROM)の管理に関する勧告では,PPROM例に対する陣痛抑制剤投与の有用性の有無には再検討が必要ではないかという問題提起がされている(ACOGPractice Bull.No.1, June 1998).
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