連載 OBSTETRIC NEWS
満期前破水の管理 : 全国的コンセンサスはあるか?(米国周産期医の調査)
武久 徹
1
1武久産婦人科医院
pp.750-752
発行日 2003年5月10日
Published Date 2003/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100941
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満期前破水(preterm PROM : pPROM)の発生頻度は全妊娠の1~2%で,早産原因の30~40%である(Semin Perinatol 20 : 375, 1996).PPROMの取り扱いには世界的コンセンサスのある管理方法(抗生物質投与,副腎皮質ホルモン投与など)もあるが,異論がある管理方法もある(表1).
薬剤投与に関しては,副腎皮質ホルモンと抗生物質投与は有効性が複数の研究で証明されているが,子宮収縮抑制剤投与に関しては現時点では有効性を支持する研究はない.予防的投与(陣痛発来前の投与)に関しては副腎皮質ホルモンを併用した研究はなく,抗生物質投与も標準化されていなかったという問題点があるが,研究結果を総合すると,破水後24時間から48時間以内の分娩と破水後1週間以内の分娩は有意に減少したが,母子感染と罹患に有意差はなく,新生児予後の改善にも有意差はみられなかった.
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