今月の臨床 増えてきた子宮体癌
Overview
わが国における発生頻度と治療成績の現状
岡村 智佳子
1
,
佐藤 信二
1
,
矢嶋 聰
1
1東北大学医学部産婦人科
pp.1128-1131
発行日 1999年9月10日
Published Date 1999/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903757
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子宮体癌は,これまで本邦では欧米諸国に比べてその罹患率が低率であるとされていた.しかし,子宮頸癌の罹患率が世界的に減少しつつあるのに対し,子宮体癌の罹患率は上昇傾向にあり,女性の平均年齢の高齢化に伴う好発年齢層の増加や生活スタイルの欧米化などにより,今後この傾向はさらに強まると予想される.また,子宮体癌はI,II期などの早期癌として発見されることが多く,産婦人科領域の癌のなかでも比較的予後が良好であるとされてきたが,進行癌や再発癌では治療に苦慮する症例も少なくない.さらに子宮体癌における術後療法は,子宮頸癌における放射線療法や卵巣癌における化学療法のように地位が確立しているものがなく,いまだ統一の見解が得られていないのが現状である.
本稿では子宮体癌の発生頻度についてふれ,治療法および治療成績の現状について述べることとする.
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