症例
先天性無眼球症の1例
澤崎 隆
1
,
藤井 恒夫
1
,
向井 啓司
1
,
白山 裕子
1
,
木岡 寛雅
1
,
内藤 博之
1
1国立呉病院・母子医療センター産婦人科
pp.991-993
発行日 1999年7月10日
Published Date 1999/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903728
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他の先天異常を伴わない先天性無眼球症の1例を経験したので報告する.
症例の母親は30歳の主婦で,巨大な子宮筋腫を合併しており高位破水の疑いで入院した(妊娠30週+1日).感染徴候,胎児仮死徴候が出現したため緊急帝王切開となり,1,243gの患児を娩出した.胎盤に早剥を疑わせる所見が一部認められ,臍帯は卵膜付着であった.新生児は左眼球が肉眼的に認められず,左眼裂も狭小であった.精査の結果,他臓器の異常は認められず染色体は46XYであった.MRIでは左眼窩内に正常の眼球構造が認められず左視神経も欠損していた.児は現在順調に成長しており,人工義眼を装着するためシリコン製コンフォーマを使用して義眼床を作製中である.
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