症例
原発性アルドステロン症合併妊娠の1症例
岡田 園子
1
,
近藤 良介
1
,
大立 陽代
1
,
神崎 秀陽
1
,
森 泰清
2
,
藤山 総一郎
2
,
佐藤 仁彦
3
,
芦田 眞
3
1関西医科大学産婦人科
2関西医科大学内科
3関西医科大学泌尿器科
pp.995-998
発行日 1999年7月10日
Published Date 1999/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903729
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症例は30歳の4回経妊2回経産婦人で,妊娠24週ころより高血圧,低カリウム(K)血症,血漿アルドステロン(PAC)高値,血漿レニン活性(PRA)低値を認め,原発性アルドステロン症が疑われた.妊娠30週,子宮収縮,性器出血が出現,超音波断層検査にて内子宮口上部に血腫を認め入院となった.妊娠31週1日,血塊の排出,変動一過性徐脈を認めたため緊急腹式帝王切開術を施行し,1,716gの正常女児を娩出した.術後,降圧剤,K製剤にて患者の血圧,血清K値は正常を維持した.しかし,下腹部切創に一致して血腫形成を認め,術後15日目に,筋膜下血腫除去術およびドレナージ術を施行した.経過は順調であり,ドレナージ術後に行った上腹部CTスキャン,副腎シンチグラム,立位/フロセミド負荷試験の結果より,右副腎腫瘍による原発性アルドステロン症と診断し,腹腔鏡下右副腎摘出術を施行した.術後,速やかに血清K,PRA,PACは正常化し,現在も母児ともに無治療にて経過中である.
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