今月の臨床 卵巣がんと闘うために
検査・診断
5.ステージングの注意点
鶴地 伸宏
1
,
豊福 一輝
1
1国立中津病院産婦人科
pp.806-808
発行日 1999年6月10日
Published Date 1999/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903683
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Pemberton1)は,1940年に卵巣癌の手術の際には,大網に肉眼的に転移があってもなくても大網は切除したほうがよいと報告した.1970年代になってBagley2),Knapp3),Keettel4),Piver5)らにより,一見早期にみえる卵巣癌において横隔膜,大網,後腹膜リンパ節や腹水にsubclinical metas—tasisがあると報告された.これらの指摘により,進行期を正確に決めるためには,肉眼的に転移が疑われなくても転移する可能性の高い部位については,samplingを行って腫瘍の広がりを把握するsurgical stagingが重要であることが認識されるようになった.1985年に臨床進行期分類(FIGO)は一部改訂され6),腫瘍の広がりをより正確に表すようになり,これにより適切な治療法を選択することができるようになった.本邦でも1988年より採用され,TNM分類とともに用いられている7).
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