今月の臨床 GnRH療法の新展開
GnRHアゴニストによる治療—適応基準と問題点
9.乳癌
寺田 督
1
,
打出 喜義
2
1てらだクリニック
2金沢大学医学部産婦人科
pp.200-201
発行日 1999年2月10日
Published Date 1999/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903542
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乳癌はホルモン依存性であり,乳癌に対する内分泌療法として外科的内分泌療法(卵巣摘除,副腎摘除,下垂体摘除)が施行されたが,近年,手術侵襲がなく,副作用の少ない内科的内分泌療法(薬物療法)へ移行した.しかも,患者の手術後のquality of lifeを考慮に入れた縮小手術(乳房温存を含め)に伴い,術後補助療法としての全身療法がますます重要性を増した.さらに,進行・再発閉経前乳癌患者に全身療法が第一選択されており,内科的内分泌療法の必要性が高まった.この内分泌療法のなかで,GnRHアゴニストは閉経前乳癌患者に対して,卵巣摘除による治療効果に匹敵する効果(表1)が報告されている1).本稿では,閉経前乳癌患者に対するGnRHアゴニストの適応基準と問題点について考察したい.
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