Japanese
English
特集 Controversy;皮切と到達経路
乳癌
The incision and approach for breast cancer
久野 敬二郎
1
Keijiro KUNO
1
1癌研究会付属病院外科
pp.1337-1339
発行日 1982年9月20日
Published Date 1982/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407208118
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皮膚切開線(図1,2,3,4)
乳癌の手術には定型乳房切断術と非定型乳房切断術があり,皮膚切開はこの術式による大きな違いはない.切開の全長は,非定型乳切は定型乳切よりやや短くてよい.皮切の型には大きく分けると縦切開と横切開があり,縦切開にはHalsted,Meyer,Kocher,Haagensenなどの型があり,横切開にはStewartの型がある.横切開は美容を考慮した方法であると共に,皮膚弁の血行障害が少なく,皮膚欠損を少なくする方法である.近年は横切開が次第に広く行われるようになつた.いずれの切開でも,切開線が腋窩の真中や上腕に及ばないようにする.乳房外側半の辺縁あるいは内側半の辺縁にある腫瘤の場合は,縦切開は大きな皮膚欠損を作るが,横切開ではこれを防ぐことができる.乳房上部辺縁にある腫瘤では,横切開はかえつて皮膚欠損を作りやすい.乳房内上部の辺縁の腫瘤では,縦切開,横切開ともに大きな皮膚欠損を作るので,内上部から外下部に向う斜切開がよい.
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