今月の臨床 経腟超音波を使いこなす
産科での活用
6.絨毛膜下血腫の診断
竹田 省
1
1埼玉医科大学総合医療センター産婦人科
pp.434-441
発行日 1998年4月10日
Published Date 1998/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903232
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超音波機器やその診断技術の進歩に伴い,子宮内の情報を無侵襲に得ることができるようになり,周産期管理も大きく変化,進歩を遂げている.それに伴い子宮内の新たな生態,病態が明らかになってきており,その一つに絨毛膜下血腫(sub—chorionic hematoma)がある.切迫流産,切迫早産とひと言で呼ばれているもののなかにはさまざまな疾患,病態が含まれており,その鑑別診断は管理上きわめて重要である.疾患によっては妊娠継続よりも児娩出を図らなければならない場合もある.超音波検査はこれら子宮内の情報を得るうえで最も重要な検査の一つとなっている.
切迫流早産の原因の一つとして挙げられる絨毛膜下血腫は,超音波機器の解像度がよくなるにつれ,また経腟超音波機器の登場により,疾患概念がより知られるようになり,その診断にも注意を注がれるようになってきた.今回,絨毛膜下血腫の超音波診断上の特徴,鑑別診断を中心に述べ,その管理にも言及する.
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