今月の臨床 低用量ピル—新しい避妊法を知る
低用量ピルの副作用
3.発癌
武谷 雄二
1
1東京大学医学部産科学婦人科学
pp.392-395
発行日 1997年4月10日
Published Date 1997/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902894
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経口避妊薬(oral contraceptives)は健康な女性が服用するものであり,その副作用には細心の注意を払う必要があるが,とりわけ悪性腫瘍のリスクに関する知識に関しては医師は熟知していなくてはならない.当然その情報は服用者にも提供されるべきであり,そのリスクの程度とのバランスで経口避妊薬の服用の適否が決められることになる.
本稿は経口避妊薬と発癌というテーマであるが,動物実験での成績は比較的短期のものであまり参考にならない.主として臨床成績に基づいた考察に頼らざるを得ず,実際に知り得るのは癌と診断されたか否かであり,いわゆる発癌(initia—tion)の段階を論及するのは困難である.したがって癌と診断される相対的リスクと経口避妊薬との関連を検討するのにとどまらざるを得ない.
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