症例
異なる病型を呈した先天性サイトメガロウイルス感染症の2例
加藤 太一
1
,
石川 薫
2
,
鈴木 千鶴子
1
,
平林 紀男
3
,
森島 恒雄
4
1名古屋第一赤十字病院小児科
2名古屋第一赤十字病院産婦人科
3名古屋第一赤十字病院病理部
4名古屋大学医学部小児科
pp.343-346
発行日 1997年3月10日
Published Date 1997/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902884
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先天性サイトメガロウイルス感染症は巨細胞封入体症(CID)として知られてきた.感染を受けた児はしばしば肝脾腫,黄疸,出血斑,小頭症などを呈する(classical type).他方最近,超音波検査上の腹水,脳室拡大,小頭症,頭蓋内石灰化像といった異常所見で診断される患児が増えてきた(fetal type).筆者らもこれらの2つの病型の先天性サイトメガロウイルス感染症を経験した.
症例1は1,488gの未熟児で,出生時に出血斑と肝脾腫を呈した.血液検査にて血小板減少症,肝機能障害,1gMの上昇が認められた.新生児の尿,血液のPCR法によりサイトメガロウイルスの感染が診断された.
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