今月の臨床 初期治療60分—婦人科救急
術後の救急対策
5.産婦人科領域における糖尿病性ケトアシドーシス
島田 朗
1
,
穴沢 園子
1
,
松岡 健平
1
1東京都済生会中央病院内科
pp.1566-1567
発行日 1996年12月10日
Published Date 1996/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902774
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産婦人科領域において,糖尿病性ケトアシドーシス(DKA:diabetic ketoacidosis)がとくに問題となるのは妊娠中の場合である.1975年以前はインスリン依存型糖尿病(IDDM:insulin depen—dent diabetes mellitus)患者の妊娠中におけるDKAの頻度は約25%にものぼり,ひとたびDKAを起こした場合,胎児死亡率は70〜90%にも達していた.その後,妊娠中の血糖コントロールの重要性が認識され,近年はかなり頻度が減少しているものの,なおその発症率は5〜7%,胎児死亡率は35%と報告されている1).
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