今月の臨床 不妊治療—ここが聞きたい
免疫性不妊
5.自己抗体陽性患者に免疫療法は禁忌か?
萩原 政夫
1,2
,
辻 公美
1
1東海大学医学部移植免疫学
2東海大学医学部細胞移植医療センター移植免疫
pp.1448
発行日 1996年11月10日
Published Date 1996/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902743
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解答 必ずしも禁忌ではない
妊娠に関して問題となる自己抗体には抗リン脂質抗体が第一に挙げられ,これを除いた抗核抗体などの陽性患者も存在し,習慣性流産全体の20%にみられることがある.
前者については,確定診断の後には,相応の治療が第1選択であることは言うまでもなく,その詳細については他の執筆者にまかせるが,後者の群については,抗核抗体であるのかそれ以外の分画に対するものか,さらに妊娠維持に重要な凝固系の異常の有無などについても明らかにする必要性がある.原因が何らかの治療法によって対処し得るものであれば,これが最優先されるべきであることはもちろんであるが,ただ単に抗体陽性のみであって,不妊,流産への病態関与が不明な場合には,免疫療法は禁忌ではないと考える.
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