連載 産婦人科クリニカルテクニック
ワンポイントレッスン—私のノウハウ
頭位帝王切開時の吸引遂娩器の使用
伊藤 裕
1
1住友病院産婦人科
pp.1331
発行日 1996年10月10日
Published Date 1996/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902704
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帝王切開率が高まってきている現在,帝王切開を行う際のいくつかのコツのうち,最も簡単に取り入れられて役に立つと思われるものを紹介する.
胎児下降部を児頭とする帝王切開において,児頭娩出時に,子宮底圧出のみですめばよいが,それだけではなかなか娩出できないことがしばしばある.やむなく一手を横切開創の中に入れて児頭の娩出を図ろうとする.このときに切開創の両端のいずれか一方に鍵型の筋層の断裂を生じることがあって,その止血と縫合に難渋する.これを防ぐために次の3点に留意,励行することによって楽に娩出させ,切開創の処理も容易となる.
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