連載 シリーズ 胎芽の発育と形態形成・6
眼の発生
塩田 浩平
1,2
1京都大学医学研究科生体構造医学講座(形態形成機構学)
2京都大学医学部附属先天異常標本解析センター
pp.751-753
発行日 1996年6月10日
Published Date 1996/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902555
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胎齢22日頃から前脳壁の一部が側方へ向かって突出し,眼胞optic cupが形成される.これが将来の網膜と視神経の原基である.眼胞に接する頭部側面の皮膚外胚葉は,眼胞の誘導inductionを受けて局所的に肥厚し,水晶体板lens placodeになる(図1).
眼胞は間もなく外側から陥入し,ワイングラス状の形をした二重壁の眼杯optic cupができる(図2).眼杯の内層と外層は互いに異なる組織へと分化し,前者が網膜脳層(網膜神経層 neuralretina,狭義の網膜)に,後者が網膜色素上皮層pigment retinaになる.眼杯腔(視室optic cav—ity)は後に消失し,網膜神経層と網膜色素上皮層が互いに密着してここに網膜(広義)ができる.
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