今月の臨床 習慣流産をとめる
病因をめぐるControversy
6.子宮内感染の関与とその治療:腟・頸管洗浄の有用性
松崎 昇
1
,
下屋 浩一郎
1
,
奥平 吉雄
1
1大阪大学医学部産婦人科
pp.696-699
発行日 1996年5月10日
Published Date 1996/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902544
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日本産婦人科学会用語委員会の習慣流産の定義によれば,「連続3回以上の自然流産の繰り返しのあるもの」となっている.これには原発習慣流産と続発習慣流産が含まれ,前者は自然流産を反復する場合を指し,後者は妊娠22週以降の分娩を経験した後に流産を反復する場合を指している.その原因には表1に示したものが含まれ,表2に示すような検査が行われて原因の確定診断が行われている.
最近,習慣流産の治療に,抗リン脂質抗体の関与とその治療や,習慣流産患者に対する夫リンパ球免疫療法などが注目を浴び,良好な治療成績が多施設より報告されている.本特集でも他稿でその点に触れられるものと思うが,本稿では最近ではあまり注目を浴びていない子宮内感染症による習慣流産とそれらに対する腟・頸管の洗浄の有用性を含めた最近の治療指針を記してみたい.
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