今月の臨床 習慣流産をとめる
病因を探る
9.感染症
千村 哲朗
1
1白鷹町立病院
pp.662-663
発行日 1996年5月10日
Published Date 1996/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902536
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習慣流産の病因としての感染症の意義は,流産の病因と背景が複雑でかつ多岐にわたるため,多くの他因子を除外し感染症候が顕著な症例以外はその診断は困難な場合が多い.また,流産自体も妊娠12週未満(早期流産)と妊娠22週未満(後期流産)において,その病因が異なる場合が多く,感染関与が明らかに診断されても早期流産期では治療上での制約を受けざるをえない.
流産期の感染症は経胎盤感染と上行感染ルートによるが,習慣流産ではウイルス・細菌・その他微生物のキャリアの状態にあるか,再感染をくり返す背景にあるといえよう(図).現在までに流産との関連性が報告されている主要病原微生物を表1に示す.
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