特集 腫瘍免疫療法の試み
Overview
現況と展望
西谷 巌
1
,
善積 昇
1
Iwao Nishiya
1
,
Noboru Yoshizumi
1
1岩手医科大学産婦人科学教室
pp.611-617
発行日 1988年7月10日
Published Date 1988/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207820
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担癌生体においては,自己変異細胞ともいえる癌細胞をnot selfとして識別し,排除する宿主の免疫応答機構が機能していると考えられる。この免疫応答機構は,癌細胞の抗原性に対応して誘導される特異的なエフェクター機構と抗原性とは直接関連性のない非特異的なエフェクター機構に大別され,免疫担当細胞およびサイトカインなどの液性因子の相互作用によって複雑なネットワークを形成している(図1)。
癌の免疫療法は,このような担癌生体における宿主の免疫応答能を増強することによって治療効果を上げようとする試みである。
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