今月の臨床 産婦人科エコー診断—撮り方,読み方のこつとポイント
トピックス
8.3次元超音波
馬場 一憲
1
,
岡井 崇
2
,
武谷 雄二
2
1東京大学医学部医用電子研究施設
2東京大学医学部産婦人科
pp.614-616
発行日 1996年4月10日
Published Date 1996/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902525
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●はじめに
超音波(断層)診断装置は,産婦人科医療全般にわたって,革命的ともいえる大変革をもたらした.なかでも,最大の功績は,産科領域において医療の対象外におかれていた胎児を医療対象とした点であろう.現在,わが国においては,ほとんどすべての産婦人科に超音波診断装置が普及しており,それなしの産科医療は成り立たないという状況にまで至っている.
しかしながら,断層像から胎児の3次元構造を理解するには相当の熟練と多くの検査時間を費やさなければならず,必ずしもすべての胎児に対して,正確な診断がなされているとは言いがたいのが実情である.また,胎児の3次元的構造は,プローブを操作しながら検査を行っている医師の頭の中で.おのおのの経験に応じて構築されるのみで,客観性,再現性が保証されていない.また,得られた3次元情報を記録に残したり,他の医師や家族に伝えることも容易ではない.
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