増刊号 これから広がる生理検査・新たにはじまる生理検査
B 腹部・体表エコー法
3. 産科領域における3次元超音波
馬場 一憲
1
1埼玉医科大学総合医療センター総合周産期母子医療センター
pp.955-962
発行日 2008年9月15日
Published Date 2008/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543102203
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はじめに
わが国の産婦人科における超音波(断層)診断装置の普及率は,ほぼ100%であり,もはや超音波診断装置なしでは産婦人科診療が成り立たないと言っても過言ではない.特に,産科領域においては超音波による胎児スクリーニングが一般化しつつあり1),胎児のさまざまな異常が出生前診断され,児の救命や予後改善に役立っている.しかしながら,超音波断層法では胎児の立体的な構造の把握が困難であったり,診断に必要な断面が得られなかったりと,診断に苦慮するケースも少なくない.
その欠点を補うため,現在,3次元超音波が産婦人科に急速に浸透しつつある.婦人科領域でも3次元超音波は有用であるが,本稿では特に有用性が高い胎児診断に限って3次元超音波の基礎と臨床的有用性について概説する.
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