今月の臨床 胎児の診断と治療―最近のトピックス
【診断の最前線】
1.3次元超音波による診断
馬場 一憲
1
1埼玉医科大学総合医療センター総合周産期母子医療センター
pp.894-899
発行日 2009年7月10日
Published Date 2009/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102130
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はじめに
超音波断層法の出現によって,それまで医療の対象にならなかった胎児も1人の患者として診断され,症例によっては治療を受けることができるようになった.今日,超音波断層法は胎児診断の中心であり,これによって胎児異常の大半は診断が完結される1).しかし,超音波断層法では立体構造の把握が困難であったり,胎児の向きによっては診断に最適な断面が得られなかったりして,診断に苦慮する症例も少なくない.
近年,急速に普及しつつある3次元超音波は,胎児を3次元的に表示して立体構造の把握を容易にすることができるうえ,超音波断層法では得ることが困難な断面も自由に描出可能なことから,胎児診断にとって重要な検査法の1つとしての地位を確立しつつある.
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