今月の臨床 産婦人科とウイルス感染
AIDS
2.診断と治療の進歩
木村 哲
1
1社会保険中央総合病院
pp.292-295
発行日 1996年3月10日
Published Date 1996/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902447
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
HIVの感染経路としては,血液を介する感染を除くと性行為による感染,母子感染が主な経路であり,婦人科および産科との関連が深い.HIVは他の性感染症(STD)があると感染を受けやすく,また感染を伝播しやすいので,普段のSTDの治療がたいせつである.日本における母子感染例は幸いまだ少ないが,これまでに感染妊婦はわかっているだけでも100人を越え,分娩が70例弱あった.このうち母子感染例は15例報告されている.母子感染がzidovudine(AZT)で3分の1に減ることもわかってきた.日本では静注用のAZTがまだ使えないので,現法どおりの予防措置はできないが,感染妊婦が来診した際の治療法についても対応を考えておく必要がある.
Copyright © 1996, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.