今月の臨床 産婦人科とウイルス感染
ウイルス感染の治療
1.性器ヘルペス
金澤 浩二
1
,
神山 茂
1
1琉球大学医学部産科婦人科
pp.297-299
発行日 1996年3月10日
Published Date 1996/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902448
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ヒトにヘルペス/疱疹(herpes)をつくりうるウイルスには,単純疱疹ウイルス,水痘帯状疱疹ウイルス,サイトメガロウイルスがある.性器ヘルペスは,単純疱疹ウイルス(herpes simplexvirus, HSV)の感染による外陰・腟を中心とする病変である.HSVは,その抗原性(血清中和抗体に対する反応性)の違いにより1型(HSV−1)と2型(HSV−2)に分類される.HSVは神経組織,とくに知覚神経組織と親和性があり,外陰・腟への感染後はそこを支配する仙骨神経節(S2-4)にとどまり,なんらかの誘因により当該神経節で再活性化し,再発を繰り返す.
本症は,性行為感染症(sexually transmitteddisease, STD)のひとつとして臨床的にも重要である.本稿では,性器ヘルペスについて概説し,課題に沿って,その治療について解説する.
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