今月の臨床 初期治療60分—産科救急
22.当直医のための救急薬品リストと使い分け
上塘 正人
1
,
鮫島 浩
1
1鹿児島市立病院産婦人科
pp.1418-1422
発行日 1995年10月10日
Published Date 1995/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902309
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昇圧剤
1 Dopamine(イノバン®,塩酸ドパミン)2〜5μg/kg/min(持続静注)の速度で開始する.この量であればβ作用が主で腎血流量を増加させ尿量増加が期待できる.投与量を増加させると20μg/kg/min以上でα作用が優位となり血管収縮が起こり組織血流が保たれなくなる.
妊娠中の適応は心因性,外傷性あるいは出血性ショックの治療である.しかし妊娠中においてはdopamineの投与による母体改善とは逆に胎児循環の悪化が報告されており,母体循環血液の量的補充が優先されるべきである.また,妊娠中毒症の腎不全予防のために使用された報告はあるが,安全性は確立していない.
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