今月の臨床 婦人の尿失禁—トラブルへの対処
尿失禁を治療する
19.手術療法—2 経腹
塚本 直樹
1
1国立病院九州がんセンター
pp.1286-1291
発行日 1995年9月10日
Published Date 1995/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902277
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尿失禁の原因はいろいろとあるが,手術の対象となるのは腹圧性尿失禁,尿瘻,尿道憩室などである.紙数が限られた本稿で,これらすべてについて触れることはできないので腹圧性尿失禁のみについて述べることにする.
腹圧性尿失禁とは,The International Conti—nence Societyが定義するgenuine stress inconti—nence(以下SIと略)のことで1),咳,くしゃみ,笑い,いきみ、縄跳びなど腹圧を増すような状態において,膀胱内圧が尿道内圧を越えて上昇するために,膀胱排尿筋の収縮を伴うことなしに不随意的に尿を漏らす現象である.産科婦人科用語集(第3版)では緊張性尿失禁という表現になっており,私もそれに従っていたが,最近では腹圧性尿失禁と表現したほうがよいと考えている.
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