今月の臨床 婦人の尿失禁—トラブルへの対処
尿失禁を治療する
17.尿失禁の漢方療法
村田 高明
1
1南多摩病院
pp.1275-1277
発行日 1995年9月10日
Published Date 1995/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902275
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尿失禁は元来,老人や褥婦に多い疾患と言われてきたが,最近は若い女性にもみられ,その頻度も15〜30%という報告がある.尿失禁の兆候があっても,子宮脱垂,年齢的なあきらめやその羞恥心から,かなり重篤にならない限りは受診しないのが現状である.尿失禁は泌尿器科領域の疾患であるが,解剖学的に内性器に隣接している膀胱の病変であるため,産婦人科を訪れ,治療を請う場合も少なくない.尿失禁には,その病態から腹圧性尿失禁,切迫性尿失禁,反射性尿失禁,溢流性尿失禁,夜尿症などに分類されているが,臨床の場では画一的な治療法に終始している傾向にあり,また難治症例も経験する.
そこで,漢方医学の立場から尿失禁の考察を試み,漢方治療の可能性について述べることにする.
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