連載 産科外来超音波診断・10
妊婦健診でのスクリーニング胎児頸部の異常(2):nuchal fold thickening-Down症の超音波断層法によるスクリーニング
伊原 由幸
1
,
清水 卓
2
1神戸市立中央市民病院産婦人科
2清水産婦人科
pp.879-883
発行日 1995年7月10日
Published Date 1995/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902187
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに—Down症のスクリーニングの方法
近年女性の高学歴化や社会進出にともない女性の結婚や妊娠の年齢が上昇する傾向にある.妊娠の高齢化に伴う問題点として母体側では妊娠中毒症のような合併症や帝王切開の増加があり,胎児側ではDown症を中心とする先天異常の発生率の増加が挙げられる1).
Down症の発生頻度は母体年齢が35歳頃から増加し始め40歳以上では20歳台の10倍以上に増加する.したがって(最終的には本人が決定することであるが)35歳以上の妊婦や過去に染色体異常児を分娩した既往のあるようなハイリスク妊婦は胎児の染色体分析を受けることが望ましい(方法としては羊水穿刺が中心となり妊娠15週頃から可能である.妊娠初期に絨毛採取(CVS)を行えばより早期の染色体分析が可能であるが,手技の特殊性や安全性から考えてまだ一般的な方法とは言えない).
Copyright © 1995, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.