連載 産科外来超音波診断・9
—妊婦健診でのスクリーニング—胎児頸部の異常:嚢胞状リンパ管腫(cystic hygroma)
伊原 由幸
1
,
清水 卓
2
1神戸市立中央市民病院産婦人科
2清水産婦人科
pp.645-650
発行日 1995年5月10日
Published Date 1995/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902134
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妊婦外来での超音波スクリーニング—胎児発育遅延,羊水過少,奇形に注意する.発育遅延,羊水過少は胎児の異常の重要なサインである.
産科領域に超音波断層法が取り入れられるようになり,それまではブラックボックスであった子宮内の胎児に関して得られる情報量が飛躍的に増大している.これによって胎児管理の質が著しく向上してきており,さらに従来は救命できなかったような胎児異常について胎児治療の可能性も広がりつつある.まさしく胎児を一人の患者として,治療対象として(fetus as a patient)捉えうる時代になってきている.当然われわれ産婦人科医にも胎児異常に対してより迅速かつ適切な対応が要求されるようになってきている.現在,胎児管理の方法としては,
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