今月の臨床 GnRH療法—刺激と抑制
GnRHアゴニスト療法
18.早発卵巣不全(Premature ovarian failure)
樋口 泰彦
1
1藤田保健衛生大学医学部産婦人科
pp.328-329
発行日 1995年3月10日
Published Date 1995/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902070
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かつて早発卵巣不全(premature ovarian fail—ure;POF)は治療法のない不可逆的な病態と考えられていたが,近年,自然に排卵周期が回復したり,適切な治療により排卵を得られる可逆的な症例も存在することがわかってきた.またPOFの一部に自己免疫障害が関与していることも明らかにされ,POFの病態も徐々にではあるが,解明されつつある.しかしながら依然としてPOF症例の大部分が治療に反応せず,排卵・妊娠はきわめて困難であることは事実である.
本稿においてはPOFに関する基礎知識と排卵誘発の基本理念を述べた上で,GnRHアナログ療法の実際について,他法と比較しながら解説したい.
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