今月の臨床 GnRH療法—刺激と抑制
基礎知識
6.GnRHアンタゴニストの開発と展望
矢野 哲
1
,
武谷 雄二
1
1東京大学医学部産婦人科
pp.290-292
発行日 1995年3月10日
Published Date 1995/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902058
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1971年,SchallyらによりGnRHの構造が決定されて以来,多数のGnRHアンタゴニストが開発されてきた.アンタゴニストはGnRHアゴニストと同様にGnRHと競合してGnRHリセプターと結合する.アンタゴニストの場合には,GnRHアゴニストにみられる一過性のゴナドトロピン分泌刺激(flare-up現象)がなく,強力にしかも迅速にゴナドトロピン分泌抑制効果を示すため臨床への応用が期待されている.
下垂体ゴナドトロピン産生細胞は,そのGnRHリセプターの10%程度が刺激されればゴナドトロピンを分泌するので,アンタゴニストが律動的に分泌されてくる内因性のGnRHに対抗するためには,リセプターとの高い結合能と作用の持続性が要求される.
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