今月の臨床 多胎—いま何が問題か
妊娠合併症の対策
12.Stuck twinの胎内治療
宇津 正二
1
1聖隷三方原病院産婦人科
pp.1475-1477
発行日 1994年12月10日
Published Date 1994/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901985
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
stuck twinとは?
stuck twinとは,一絨毛膜性双胎の場合にみられる双胎間輸血症候群(TTTS)のうち最も進行した病態を表現した名称である.一方の児から他の児への異常な血流(シャント)によって発症した胎児胎盤循環障害の結果,受血児側の羊水過多に対して,羊水過少を来したために子宮内の端に張り付いて身動きが取れないような状態になった供血児を指して名づけられたものである.
この病態にまで進行してしまったTTTSでは,受血児側では多血症,欝血性心不全から胎児水腫を,供血児側では貧血,低拍出性心不全からショック性多臓器不全を発症しており,両児ともに重篤な胎児胎盤循環障害に陥っていると考えられる.
Copyright © 1994, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.