今月の臨床 難治性合併症を診る—産科
産婦人科合併症
7.コニゼーション後の妊娠
川村 光弘
1
,
斎藤 聰史
1
1旭川医科大学産婦人科
pp.1328-1329
発行日 1994年11月10日
Published Date 1994/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901943
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近年早期の悪性腫瘍に対する機能温存治療が注目されてきた.子宮頸癌においても臨床進行期0期および1a期の早期癌症例に対して,子宮頸部円錐切除による子宮温存手術が採用され始めている.もちろん悪性腫瘍の治療は,腫瘍の根治による予後の改善が究極の目標であり,いかなる機能温存手術も,治療成績を悪化させるものであってはならない.また,単に臓器としての子宮を温存するのではなく,妊娠,分娩の機能が高度に維持される方法であることが必要である.
以上の点から注目されているのが,治療的レーザーコニゼーションであり,この方法はこれらの条件を満たすものと考えられている.当院でも1992年以降,妊娠の希望のある症例に対しては,この方法を標準術式として行っている(表).
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