今月の臨床 難治性合併症を診る—婦人科
月経異常と難治性合併症
7.乳汁漏出症
三宅 侃
1
,
水木 次郎
1
,
足立 和繁
1
,
張 真先
1
1大阪大学医学部産婦人科
pp.1210-1211
発行日 1994年10月10日
Published Date 1994/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901908
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乳汁漏出症
乳汁が,生理的に分泌される妊娠や産褥期を除いた時期に見られるのを乳汁漏出症と呼んでいる.プロラクチンにより乳汁が産生され,オキシトシンにより射乳されるが,乳汁漏出症には乳腺のプロラクチン感受性が増加した場合とプロラクチンの産生・分泌が増加した場合がある.乳汁漏出症はほとんど後者といってよく,前者は少ない.
プロラクチンの産生・分泌が増加した高プロラクチン血症の原因は表のごとくである.これらの高プロラクチン血性乳汁漏出症では,乳汁の漏出のほかに,プロラクチンのためにゴナドトロピン分泌が抑制され,性腺系機能低下,つまり卵胞発育不全・無排卵・無月経などさまざまな程度の症状がみられる.
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